よたばいと

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数学

研究テーマ

研究内容

冪零リー群を変換群とする Clifford-Klein 形の変形問題

平面上の2つの図形が合同であるとは、平行移動・1点を中心とする回転変換・直線に関する対称変換の3種類の操作によって、片方の図形をもう片方の図形に移せることをいう。こう定義するのは、平面の幾何学がこれら3種類の変換が定める対称性によって規定されるからである。このように、変換の集まりが定める対称性によって幾何学が規定された空間を等質空間と呼ぶ。
次に、かつての RPG ゲームのように、画面の端から出ると、反対側から出てくる世界を考える。このような「地球」は球面ではなく、概形としてはドーナツの表面になっている。但し、その局所構造はドーナツと違い、平面のように平坦である。このように、局所構造を等質空間と共有する空間を Clifford-Klein 形と呼ぶ。
私の研究テーマは、対称性を定める変換の集まりが「冪零」という特殊な条件を満たす等質空間に対し、それと局所構造を同じくする Clifford-Klein 形を分類することである。

Duflo の多項式予想への代数的アプローチ

ラプラシアンは等長変換に対して不変である。これは Euclid 空間でのみ成り立つ話ではない。則ち、3次元空間の滑らかな曲面のように、距離の2乗が微分可能な空間には一般にラプラシアンが定義できて、それは等長変換に対して不変になる。更に、球面のように対称性の高い(上で言う等質的な)距離空間においては、等長変換に対して不変な全ての微分作用素はラプラシアンと交換可能になる。それでは、等長変換に対して不変な他の微分作用素と可換になる、ラプラシアンのような不変微分作用素は、一体どれくらいあるだろうか?
私の研究テーマは、このような問いを代数的に抽象化した Michel Duflo の多項式予想を、純代数的なアプローチによって考察することである。

修士論文

冪零 Lie 群の等質空間の Clifford-Klein 形の変形問題
——その概要とBakloutiの予想の部分的解決——

博士論文

An algebraic approach to Duflo’s polynomial conjecture in the nilpotent case

発表論文

口頭発表

獲得資金

数物フロンティア・リーディング大学院

教育・広報活動

群馬県高校生数学キャンプ

学部4年から博士2年までの間、群馬県高校生数学キャンプにTAとして毎年行っていた。群馬県高校生数学キャンプは、毎年秋頃に2泊3日の合宿形式で行われる。高校生は4人で班を構成し、2日目午前までに行われる講義の中から見つけた課題を研究して3日目午前に発表する。TAは各班に1人ずつつき、研究の補助や発表の指導などを行う。

東京大学フューチャーファカルティプログラム

東京大学フューチャーファカルティプログラムを博士1年時に履修した。数理科学研究科では初めての受講者だった。
シラバスの書き方から講義の組み立て方、アクティブラーニングの代表的な手法などを一通り学ぶことができた。

数学教材ビデオの作成

大学院の講義で位相空間論について講義したビデオを作成し、知人のツテで麻布高校で鑑賞会を行った。

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